FRANCISCO

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FRANCISCO(1987)

 アルバムのタイトルは、シコ・ブアルキのクリスチャン・ネームであるフランシスコをそのままつけたもの。シコはフランシスコの愛称。シコはブラジル人だからもちろんカトリックである。

 それにしても美しい音のアルバムだ。エドゥ・ロボやジョアン・ドナートとの共作ををはじめとして、ヴィニシウス・カントゥアリアやクリストヴァン・バストスとの共作も収められているが、その他はすべてシコの作品で占められている。

 シコの作り出すメロディとバックの演奏も、とても都会的な雰囲気にあふれている。シコの作品の中でも、大好きな歌がたくさんあるが、中でも最も好きな歌のひとつが、このアルバムに収められた"ESTACAO DERRADEIRA"である。

 この歌には、今でもときどき勇気づけられ慰められている。忘れられないシコの作品のひとつだ。この曲はシコの愛するサンバについて歌ったものだが、メロディに少し甘酸っぱい哀愁と希望に満ちた躍動感が感じられて心にしみる。

 哀愁のある"AS MINHAS MENINAS"や"UMA MENINA"なども好きな歌だし、ヴィニシウスとの共作になる"LUDO REAL"のメロディも素晴らしい。クリストヴァンとの共作の"TODO A SENTIMENTO"も同様の美しい作品だ。

 とても洗練された美しい名盤だと思う。