AS CIDADES

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AS CIDADES(1998)

 このアルバムのジャケットは、シコ・ブアルキの顔写真をCGを使って様々な人種の人につくり変えたもの。ブラジルに住む人々のことをテーマにしていることをカヴァー写真を使って表しているのだろう。

 アルバムの内容はとても素晴らしいもので、シコのつくり出す楽曲はもちろん、アレンジから演奏まで、とても洗練されていてクオリティが高い。

 シコの手になるものでは"IRACEMA VOOU"や"SONHOS SONHOS SAO"をはじめとして、"A OSTRA E O VENTO"や"ASSENTAMENTO"などなど、どの曲もメロディアスで美しく親しみやすいものばかり。哀感をメロディに織り込んでいく、シコの才能をあらためて実感できる内容だ。

 ドミンギーニョスとの共作になる"XOTE DE NAVEGACAO"は、ブラジル北東部の音楽でおなじみのアコーディオンの響きとメロディがもの悲しい逸品で、見事に聴く者の心の琴線に触れる。

 他に貴重な共作としては、ギンガとの"VOCE, VOCE"を挙げておこう。ルイス・クラウヂオ・ハモスとの共作になる"CECILIA"も美しい作品である。

 ラストをマンゲイラを歌ったサンバでしめくくるのもシコらしい。